若手SEの生き様

クサカンシのブログ

クサカンシとは好奇心とプレッシャーの狭間で学び続ける者、、そう拙者でござる!

真実の愛(AI)は二人で育てるもので、どちらかが苦労して繕うものではないはず

どうも、クサカンシです(^-^)

AIについてどう思いますか?

ガートナーからAIのハイプサイクルが幻滅期に入ったと発表されましたね。(去年だけど)

幻滅期という言葉とガートナーのコメントから、まるで恋愛指南書を読んでいるような感覚になったので、恋愛と絡めてAIのハイプサイクルをご紹介したいと思います。

※本記事はあくまで筆者の理解ですので、あしからず。 

恋愛のステップと新技術への向き合い方

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実は恋愛のステップと新技術への向き合い方は似ています。皆さんもご経験があるかと思いますが、告白して付き合って数週間は「1.盲目的に惹かれあう」時期を過ごします。 そして徐々に互いの短所が目に付くようになり「2.幻想に気づきすれ違う」とうい経験をします。いわゆる倦怠期とういうやつですね。倦怠期を乗り越えられるカップルは「3.互いを理解し歩み寄る」努力をします。そして互いの良さも苦手なことも理解し受け入れたカップルは「4.将来について語り合う」といった流れが王道の恋愛ステップかなと僕は思います(笑)

これを技術目線に置き換えると「1.盲目的に惹かれあう」時期というのは好奇心旺盛なエンジニアや意識高い系経営者などが「話題や好奇心に飛びつく」ことだと思います。そして「2.幻想に気づきすれ違う」倦怠期の時期は「現実的な仕様に気づき幻滅する」まさにハイプサイクルの幻滅期です。「3.互いを理解し歩み寄る」この相手を深く知るためのフェーズは「仕様理解し、ナレッジを収集する」フェーズだと思います。まさに相手の性格もとい仕様を理解し、出来ること出来ないことを理解するための情報収集のフェーズです。そして「4.将来について語り合う」ということは、つまり、具体的な「サービスへの活用を検討する」ことではないでしょうか。これから協力して将来を描く姿はまさに、エンジニアの思想と技術がかみ合いサービスを生み出す様子と似ていると思います。

いかがでしょうか?似ていると思いませんか?つまり「やる気に満ちたつよつよエンジニア」の皆さんは恋愛マスターでもあるということです。逆もしかりですね。恋愛マスターはエンジニアの素質がある。(笑)

 1.盲目的に惹かれあう(話題や好奇心に飛びつく)

 2.幻想に気づきすれ違う(現実的な仕様に気づき幻滅する)

 3.互いを理解し歩み寄る(仕様理解し、ナレッジを収集する)

 4.将来について語り合う(サービスへの活用を検討する) 

AIフィーバーから幻滅期へ

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ではガートナーの発表に話を移します。

2018年10月にAIが幻滅期に入ったと発表がありました。その際に出したコメントがこちらです。

ここ数年で多くの企業がAIを試行したが、2018年後半から一連のブームは去りつつあり、市場ではAIの捉え方が冷静になってきている側面が見られる。

今後、概念実証(POC)や先行事例の結果が公表され、取り組みの困難さが顕在化するにつれて、慎重な姿勢が企業間に広まるものと予想される。

幻滅期に入るとはいえ、今後も重要なテクノロジーであることは変わりない。幻滅期は『これからが本番』という時期
企業はAIをより冷静に捉え、より戦略的に推進する必要がある。
昨今、経営者が単に担当者に『AIの導入を検討せよ』という指示だけを出し、現場もAIの提案依頼をベンダーやシステムインテグレーターに丸投げするといったことが散見される。
そうではなく、企業自らが戦略的意思を持ち、中長期の観点で自らリスクテイクすることを覚悟の上で推進するべきである。

ポイントをかいつまんでみると「市場がAIに対してクールでクレバーになっている」「事例や情報が増えてきて難易度の認識が現実的になっている」「AI導入は丸投げではなく戦略をもって行うべき」とのことが伺えます。まさに「互いを理解しましょう」とコメントしています。

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これまでのAIフィーバーから幻滅期へのストーリーをまとめると、こういった流れになります。

ここから先は「互いを知り」「将来を考える」フェーズになります。

AI導入にはAI戦略が必要

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「互いを知り」「将来を考える」をビジネス風に表現すると「戦略を立てる」となります。ガートナーではユーザー企業のAI戦略と活用について次のようにコメントしています。

ガートナーでは、ユーザー企業がAIを推進する際には、「改善レベル」と「戦略レベル」の2つのステージがあると考えています。一般企業において、AIの推進の多くは、現場による改善レベルにとどまっていますが、今後、AIがさらに重要なものとなることに鑑み、一般企業であっても、このステージを戦略レベルへと引き上げる必要があります。

ここで言う改善レベルとは、現場の改善を中心としたAIの推進を意味します。例えば、営業や生産の現場における課題を解決することを狙うものであり、こうしたアプローチを採っている企業は多く見られます。ここ数年ブームとなったチャットボットなどはその一例であると言えます。改善レベルでは、POCを行って終わり、それほどのインパクトが出せなかった、といったケースが散見されます。

一方、戦略レベルとは、企業が中長期の戦略イニシアティブとしてAIを推進することを意味します。戦略であるため、そのリーダーは経営者 (CEO、CIO、CDOCFOなど) となります。この場合は、AIだけでなく、クラウド、モノのインターネット (IoT)、ブロックチェーン、デジタル・ツインといったさまざまなテクノロジや考え方を総合的に駆使することで、より大きなビジネス・インパクトを狙うことになります。よって、AIはそのイニシアティブの中に吸収される可能性がありますが、それでもAIは1つの大きな柱となります。  

こちらもポイントをかいつまんでみると「戦略には2つのレベルがある」「POC以降、実用化に至らない」「インパクトを狙うなら戦略が必要」といった内容が読み取れます。やはり具体的なKGI、KPIを立てた戦略の元、導入を進めるべきだということですね。

そう言われても、実際何したらいいのか、改善レベルと戦略レベルのどちらから手をつけるべきか、最初の一歩の踏み出し方がわからないユーザー企業がほとんどだと思います。そんなときに丁度いい資料が日本経済団体連合会から公開されています。日本経済団体連合会はAI活用推進の資料を公開しAI活用をガイドライン化しています。

AI-Ready 化ガイドライン

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先述の通り日本経済団体連合会ではユーザー企業のAI活用準備の習熟度をレベル分けしています。ガートナーの示す改善レベルと戦略レベルをAI-Readyのレベルに突き合わせると改善レベルはレベル2、戦略レベルはレベル3以降に該当しているようです。レベル2が小規模や一部業務での活用実績あり、レベル3以降はさらに広域なAI導入実績ありですね。よって戦略レベルのAI活用をするのであれば、改善レベルのAI活用もしくはそれに匹敵するAIリテラシーの保持が前提条件になります。AIを導入すれば会社が変わるのではなく、会社が変わらないとAI導入できないことがわかりましたので、イノベーションを起こすには、ユーザー企業は自社の知識レベルを見極め、地道なレベル上げをしていくことが大切です。そして我々エンジニアは丸投げされないように、このAI-Readyのステージを説明できるようになっておくと良いかと思います。

おわりに

 

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出典

https://www.gartner.co.jp/press/pdf/pr20181025-01.pdf

http://www.keidanren.or.jp/policy/2019/013_honbun.pdf